
事業用不動産、特にアパートや賃貸マンションなどの収益物件を売却・購入する際、価格の妥当性を判断するためには「どのように評価されているか」を知ることが非常に重要です。
この記事では、スペースエンタープライズが事業用不動産の売却サポートを行う中で多くの方から寄せられる「評価基準って何?」「査定の仕組みはどうなっているの?」という疑問にお答えしながら、2つの代表的な評価方法とその違いについて解説します。
そもそも「事業用不動産」とは?
事業用不動産とは、住宅として住むための物件ではなく、賃貸経営や店舗経営、事務所利用など、収益を得るために使用される不動産のことを指します。たとえば、以下のようなものが該当します。
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賃貸アパート・マンション
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オフィスビル
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商業施設(テナントビル、店舗など)
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倉庫・工場
このような不動産を取引する場合は、単に「立地や築年数」で判断するのではなく、その物件が将来的にどれだけの収益を生むかという視点が重要になります。
事業用不動産の評価方法は主に2種類
事業用不動産の価値を把握するためには、主に次の2つの評価手法が用いられます。
1. 積算評価(コストアプローチ)
積算評価とは、土地の価値と建物の価値を別々に算出し、それを合計して物件の評価額を出す方法です。
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土地価格:周辺の取引事例や公示価格などを基に決定
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建物価格:再調達価格(同じ建物を新築した場合の費用)から、築年数などを考慮して減価修正した価格
この方法は「不動産そのものの物理的な価値」に着目したもので、銀行による担保評価などで広く用いられています。
2. 収益還元法(インカムアプローチ)
収益還元法は、対象不動産が将来生み出すと予想される収益をもとに価値を算出する方法です。
とくにアパートやテナントビルのような賃貸用不動産では、次のような考え方をします。
年間の純収益(家賃収入などから経費を引いた額)÷ 期待利回り(還元利回り)= 評価額
たとえば、年間の純収益が200万円で、利回りを5%と設定した場合、評価額は「4,000万円」となります。
この評価方法は、投資家やプロの不動産事業者が最も重視する指標です。
それぞれの評価方法における特徴と使い分け
積算評価の特徴
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建物の構造や立地に基づく客観的な評価
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築年数が古くても、土地の価値が高ければ評価も高くなる
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家賃収入が少なくても物理的価値が高い場合に有利
収益還元法の特徴
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現在の収益力に基づく実践的な評価
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空室率や運営コストが大きく影響する
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利回りが低いエリアでは評価が厳しくなる傾向
どちらの方法が正しいということではなく、目的や取引相手によって使い分けられるものです。金融機関による融資判断では積算評価が重視される一方で、投資家同士の取引では収益還元法の方が重視されるケースもあります。
評価方法の違いが価格に影響することも
たとえば、地方の築古アパートの場合、実際の家賃収入が少ないため収益還元法では評価が伸びませんが、土地の価格が比較的高ければ積算評価では高く評価される可能性があります。
逆に、築浅で満室稼働している都市部のマンションであれば、収益還元法で高く評価される傾向にあります。
このように、評価方法によって不動産の査定額は大きく変わることがあるため、複数の視点から物件価値を把握することが重要です。
スペースエンタープライズの査定では両面を考慮
スペースエンタープライズでは、売却をご検討中のオーナー様に対して、積算評価と収益還元法の両方を取り入れた「ダブル査定」をご提供しています。
物件の立地・構造・稼働状況・周辺相場などを総合的に分析し、最も適正かつ納得感のある価格をご提案いたします。
「このアパートはいくらで売れるのか?」
「将来的に手放すとしたら、今の価値はどれくらいか?」
このような疑問をお持ちの方は、お気軽にスペースエンタープライズへご相談ください。無料査定・ご相談を承っております。
まとめ
事業用不動産の評価は「積算評価」と「収益還元法」という2つの手法が基本です。それぞれの特徴を理解し、目的に合った判断をすることが、資産価値を最大化する第一歩となります。
スペースエンタープライズでは、豊富な実績と地域に根ざした視点で、お客様の大切な資産の評価と売却をサポートいたします。