
収益物件の売却に潜むトラブルとは?
収益物件は家賃収入を得るための大切な資産です。そのため、いざ売却を考えたときに「スムーズに売れるだろう」と思いがちですが、実際にはさまざまなトラブルが発生する可能性があります。
たとえば、売却活動がうまく進まず「なかなか売れない」「希望の価格で売却できない」、あるいは「売却後に買主とトラブルになった」といったケースも少なくありません。売却時の判断ミスや不適切な業者選びが、こうした問題を招いてしまうのです。
特に収益物件の売却は一般的な不動産取引とは異なる専門知識が求められる分野であるため、準備不足や経験不足が思わぬ落とし穴になることもあります。
今回は、収益物件を売却する際に起こりやすい代表的なトラブルと、その回避方法について詳しく解説します。
トラブル① 売却タイミングの判断ミス
収益物件の売却において最も多いトラブルのひとつが、「売るタイミングを間違えた」というケースです。
収益物件は、家賃収入という投資的な要素があるため、市場環境や建物の状態、収支状況によって価値が大きく変動します。たとえば、周辺の地価や賃料相場が上昇しているときであれば、より高い価格で売却できるチャンスです。しかし、相場が下落基調だったり、建物のメンテナンス費用がかさんで赤字状態になっていたりする場合には、思ったような価格で売却できず、損をしてしまう可能性が高まります。
特に注意が必要なのが「大規模修繕直後」の売却です。修繕に多額の費用がかかってしまった直後に売却すると、売却価格が思うように伸びず、結果的に収支が赤字のまま終わってしまうというトラブルが発生するリスクがあります。
このような事態を避けるには、市場動向や物件の収益状況をしっかり分析し、タイミングを見極めることが重要です。
トラブル② 経験の浅い不動産会社に任せてしまう
もう一つ多いのが、「収益物件の売却に不慣れな業者に任せてしまい、スムーズな取引ができなかった」というトラブルです。
不動産会社にはそれぞれ得意分野があり、収益物件を扱うには賃貸経営や投資分析の視点が必要になります。一般的な住宅の売買しか経験のない業者に依頼してしまうと、適切な価格設定や買い手との交渉がうまくいかず、結果として安く売却せざるを得なくなることもあるのです。
また、投資家向けのネットワークを持っていない不動産会社では、収益物件の買い手を見つけるのにも苦労します。その結果、「売れない」「売却活動が長期化する」といったトラブルにつながるのです。
こうした事態を防ぐには、収益物件の売却実績が豊富な不動産会社を選ぶことが不可欠です。
トラブルを回避するためのポイント
適切な売却タイミングの見極め
収益物件の価値は、立地や築年数だけでなく「どれだけ利益を生んでいるか(収益性)」にも大きく左右されます。そのため、売却するタイミングは非常に重要です。
・空室率が低く、安定した家賃収入が得られているタイミング
・大規模修繕を終えて、次のメンテナンスまでしばらく余裕があるタイミング
・周辺エリアの再開発や地価上昇など、将来性が評価されやすいタイミング
など、投資家にとって魅力的に映るタイミングを見極めて売却することで、より高値での成約が期待できます。
自己判断が難しい場合は、経験豊富な不動産会社に相談し、データや事例をもとに判断するのがおすすめです。
専門性の高い不動産会社の選び方
収益物件の売却では、「投資物件の売買に強いかどうか」が非常に重要なポイントになります。
不動産会社の専門性を見極めるためには、次の点をチェックしましょう。
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ホームページに収益物件の売却に関するコンテンツがあるか
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投資家向けの物件紹介や仲介実績が豊富か
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具体的な売却事例や実績が掲載されているか
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賃貸管理・リフォーム・空室対策などの提案も可能か
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実際に相談してみて、担当者の知識・提案力があるか
これらを確認することで、収益物件売却に強いパートナーかどうかが見えてきます。
まとめ|収益物件のトラブルを未然に防ぐには
収益物件の売却でよくあるトラブルには、「売却タイミングの判断ミス」と「不適切な業者選び」の2つが大きな原因として挙げられます。
これらの問題を回避するには、不動産市場の動向や物件の状態、収益性などを総合的に判断し、ベストなタイミングで売却することが不可欠です。
さらに、実績とノウハウを持つ専門の不動産会社に依頼することで、想定外のトラブルを防ぎ、満足のいく売却を実現しやすくなります。